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第7回 AiC竹本先生のインクジェット教室
賢く知っておこうインクジェット出力業者の一般的な積算方法

4.インクジェット出力サービス業者の価格戦略

現在のインクジェットプリンターは、溶剤系一台で多くのものが賄えるようになってきており、プリンター本体の価格が下がってきていることもあり、ここ数年で導入企業も大きく増えてきている状況があります。これは、今迄出力サービス会社に外注をしていたところが自社機を導入することによりプリント出力を内製化していっているということで、出力サービス会社はその分仕事が減ってきています。しかも出力サービス会社から見れば上得意であるところの大面積、大量発注してもらえるお客様から先に得意先では無くなって行く現実があります。この状況は経済原則から言って至極当然のことなのですが、今インクジェット出力サービスを生業としている会社にとっては非常に頭の痛い問題として、各社ともしのぎを削っているところです。このような状況を見渡しますと、現在の業界の価格戦略は2極分化してきているようにみえます。

1  低価格戦略

自らが業界のプライスリーダーとなりより、より多くの受注を取るため、前述のコスト項目の中で固定経費部分を下げることにより利益を上げる戦略です。
この戦略で重要なことはどのくらいマーケットシェアーを取れるかで、単に価格ダウンをしただけでは売り上げ、利益を圧迫するだけとなり、いずれは経営を揺るがしかねない事態を招く事になります。やはり薄利を追求するのであれば多売をも実現させないと駄目だということです。
かつて低価格路線を走っていた会社が、現在は普通かむしろプラス志向の価格戦略を取っている会社を良く見かけます。しかも現在でも超多忙にしています。このことはやはり無理はいつまでも続かないという実証だと思います。
勿論、営業戦略として低価格戦略が悪いとは決して思いませんが、それだけでは経営的に上手くは行かないということで、その次の戦略を考えた上でのしっかりとした営業戦略立案が必要だということです。

2  差別化戦略

同業他社が持っていない機種を持つことにより独占的サービスを提供する戦略。例えば、3m機や5m機といった機種やUVプリンター機等でのサービスを行う事がこれに当てはまると思います。
当然これらの機種は本体価格が数千万円し、また設置場所もそれに合わせた広い敷地が必要となるので、経営体力の無い会社は購入することができません。やはり経営手法としては、同業他社との差別化を図ることにより、より高収益を上げるというこの戦略がベストだと私は思います。

3  総合サービス型戦略

お客様が不自由と思う事をサービスする考え方という意味ではこれも差別化戦略といってもいいでしょう。
出力だけでなく加工や取り付け施工まで、またデザインもこなす、正に痒い所に手が届くサービスを提供するというのは何処でもが出来るわけではないので、営業上自社の大きな強みとなります。
そこに頼めば全て任せられるというのは、お客様の手間を省きコストダウンも図れるので出力価格が安くなくてもお客様にとっては大きなメリットになるはずです。

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