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第6回 AiC竹本先生のインクジェット教室
出力業者には耳が痛い”出力業者選びのチェックシート” 本当にこのままでいいの…?

1. 出力業界の問題点、表と裏のお話し

1  デジタル機器から得られる出力結果にはあまり技術の差が見えてこない

デジタル機器の機能には、必ず必要かつ最低充分条件機能が付いており、その範囲内で使用する場合には、問題なく誰もがほぼ同じ出力の結果を得ることが可能です。
このような普通出力の結果は、その機器の特性に依存することが多く、見た目ではオペレータの知識やノウハウと言った技術力にほとんど依存しなくても出力が可能です。
ここには技術の差やノウハウの蓄積などが、表面的な出力結果だけでは見えてこない点が問題なのです。

2  過当競争、価格偏重に陥っている業界

誰しも買う側の立場から言うと“安い”に越した事はありません。
安価なプリンターが発売されるにつれ、出力業者にとっては今まで自社のお客様だったところがプリンターユーザーとなり、それだけでも顧客が減少してきているのですが、さらにそのかつての顧客が単なるユーザーと言う立場だけに留まらず出力業を始め出し、一層の過当競争を招いているという側面もあります。
出力業社にとってコストダウンの方法は
  ・メディアのコストを下げる事。
  ・人件費をアルバイト、パートにシフトする事。
  ・稼働率を上げる事により固定経費を低減する事。
の3点しか有りません。そしてこの命題に対していかに出力業者は取り組んでいけるかが命運を分けることになります。

3  どんな機種で出力を行っているのか?

インクジェットプリンターは各社それぞれの機種やインクにより特性があります。
したがって、当然その特性により使用用途には向き不向きがあります。
一台で全ての用途を満足させるプリンターは世の中にありませんので、出力業者はこの適・不適という特性を熟知し、使い分けや専用用途として等の判断ができなければなりません。
この判断を間違えると、トラブルを発生させる根本原因を持つ事になります。

4  出力業者は本当にメディアの特性の把握ができているのか?

メディアのメーカー及び販売商社の売り方は、
「サンプル差し上げますので一度使ってみてください。そして、それで良ければ買って下さい」
と言うのが一般的ですが、実はこのテストはインクの載り具合だけを観るもので、そのメディアの良し悪しを判別する方法ではありません。
このお試し販売方法は客に責任を転嫁する方法だと私は考えます。
何か問題が起こった時、「使ってみて良かったからお買い頂けたわけですよね・・・」と。

 
このような基本的問題点をしっかり把握し、問題解決をしている出力業者は信頼ある優秀な業者と言えます。しかし、やはり全体的には少なく業者の規模の大小にも関係ありません。
出力機で超大型機を持っていたり大量に保有していたりと、大きいから安心だとか小さい規模だからダメだとも限りません。
要は出力物の品質のベースとなっている技術(余り目では確認できない)に対して、その業者の社長や責任者の方が、これらの問題点をしっかり把握し真面目に取り組んでおられるかが一番重要な点だと思います。

単なる価格だけの誘導営業やプリンターの大量保有による短納期営業等、多くの業者からの営業アプローチに対ししっかりとした自社の選択基準で業者選びをすることにより、クライアントとのより強固な信頼関係を築き、売上をより一層向上させていくことが最善の方法だと思います。

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