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全国の看板屋さんに毎週交代でコラムを書いてもらいます。

第34回 〜「屋外広告美術」≠サイン?
長崎県 有限会社町田美装工芸社 町田雅之さん


看板かサインか、っていう掲示板での話しは、実は私が震源地です。長崎県屋外広告美術協同組合では現在ホームページを作成しています。それと並行して、書類を差し込むクリヤーファイルを、独自デザインで作っています。最初のプラン では"SIGN DESIGN"と大きく書かれていてはいるのですが、一見して我業界の 内容が伝わらないような気がしたので、「看板」と大きめに入れては?という提案をしていたものでした。それを見ながら、理事長経験もある年輩の委員さんが「看板というのは、なんか古くさくてどうも好きになれない。」と。

我が組合の名称には広告の前に「屋外」、後ろに「美術」という言葉がくっついています。日広連の会員団体名称から拾ってみました。鹿児島県広告協会だけが、屋外も美術もついてません。あと「屋外広告(業)」、「屋外広告美術(業)」、「広告美術(業)」がほぼ同数でした。塗装工事業と同一組織というのもいくつかありましたが、さすがに(^_^;「看板(業)」というのはひとつもありませんでした。
日広連の定款では「屋外広告業」という表現で統一されているようです。
ついでに昭和25年にできた屋外広告物法では
「この法律において「屋外広告業」とは、屋外広告物(以下「広告物」という。)の表示又は広告物を掲出する物件の設置を行う営業をいう。」
「この法律において「屋外広告物」とは、常時又は一定の期間継続して屋外で公衆に表示されるものであって、看板、立看板、はり紙及びはり札並びに広告塔、広告板、建物その他の工作物等に掲出され、又は表示されたもの並びにこれらに類するものをいう。」
これらによって我々「看板」業界も、法律のお世話になることとなっております。
それ以前はどうだったのでしょうねえ・・・
看板(屋外広告物)は安全でかつ美しさをそこなわないものであれ、というあたりがこの法律の根拠です。・・・ということは?

つまりそこには、看板はただの広告なんかじゃなくて、街の景色の一部としていろんなひとがいつも見るものなんだから、構造的にも、視覚的にもそれに耐えるものでないとね。という、これはきっと「屋外」と頭にくっつけた先輩方の思いなんだと思います。
それから、これは美術でもあるんだよ、とこだわった先輩方の思い。安全で美しいだけでない、もっと人の心の奥の方に働きかける普遍的なエネルギーみたいなものを表したかったのではないでしょうか?
いずれにしても、ただジャマにならないだけの看板づくりから、もっと積極的に街に住む人たちの幸福につながるような看板づくりと、それができるかっこいい看板屋のネットワークを、このホームページを通じて実現できたらと思っております。
みなさんにはまもなくご案内できるでしょう。