陸上競技をやっていた私が高校生のとき、和歌山県の紀三井寺というところで、栃木県の国体の強化合宿が行われ、参加させていただいたことがあった。おそらく、生涯でこれ以上ハードなトレーニングはしたことがない、という厳しい強化合宿で、一緒に参加した仲間たちとともに、一生の思い出に残る合宿だ。
夕方、一日の練習を終え、紀三井寺の境内から夕日が見えるシチュエーションのなか、コーチをしていただいたある大学の先生から話を聞いた。その話の中で、忘れられない言葉が二つある。
「今日、君たちは世界一の練習をした」
世界一、という言葉が衝撃的だった。高校生の私は純粋に世界一の練習をしたという満足感と、トレーニングをやりぬいた安堵感から、あふれそうになった涙を我慢した記憶がある。
大真面目に「世界一」と言ってくれる人というのはそうめぐり合えるものではない。
私は、このときのトレーニングは本当に「世界一」だったと信じている。
「人の能力はその人の一番弱い部分が基準になる」
弱いところには目をつぶり、強いところ、得意なところを伸ばすほうに目を向けることで良し、とする風潮であるけれども、、総合力を高めるためにはネックとなる部分のレベルアップは必須だ。
仕事においても、おそらく全く同じようなことが言えて、ウィークポイントを見つけ出し、解消することや、いかにバランス良く運営していくか、ということが大切だと思う。
高校時代、陸上競技の強化合宿の時に聞いた二つの忘れられない言葉であるが、どちらも今の自分を励ましてくれる大切な言葉だ。
まみうだ工芸 大豆生田 洋
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