自営業の醍醐味の一つは営業だと思っています。それも中間マージンの無い小店舗との直接取引がいいですね。
私の営業法はお客様と、「とことん話す。」がキーワードです。話す事で、指向性や本音が見えてきます。「今はこうだけどああしたいこうしたい。」と言った夢の一部が見えたりしますそれは、通り一遍の会話ではなかなか聞けないものですが、いろんな前例を資料や情報として話すと、つられて出てくるものなのです。そうして得た幾つかのキーワードを元に「看板だけではない店舗」をデザインし、今のお客様の店舗にバーチャルにレイアウトします。場合によっては予算を上回る内容も少なくありません。
ここで大切な事は、完成度の高い(究極の)店舗を再現する事です。もちろん、注文のあった看板だけの写真パースも一緒に付けますが、一目瞭然の差に、お客様の中で何かが変わるのが目に見えます。写真の中に構築された店舗はそれほどインパクトがあるのです。そうなると、初め小さな予算の話が、いつの間にか何倍もなんて事も珍しくありません。
何故そうなるのか、お客様と「夢」を見るからだと思います。自分の欲しい店舗が、紙の上とはいえそこにある。専門のデザイナーやコンサルタントを雇う程の資本もない中、それを提案してくれる業者は貴重なのです。もちろん、お客様の友達のデザイナーなんて訳の解らない「友人」のデザインやロゴなんか蹴散らかすような出来でないと説得力はありませんが、その為の聞き取り調査、リサーチが会話なのです。話し下手も自分の店の事には熱心になりますよ。
予算のせいとは言え、やっつけ仕事や手抜き仕事に絶望しているお客様にとって本気でプレゼンテーションをしてくれる業者は初めてだと言われます。お客に「夢」を見せたら勝ちなのです。当然の事ですが、プレゼン作成に時間を取られていては無意味です。ここにはコンピューターによる高速化が鍵です。見積り+写真パース作成に要する時間は10分〜20分程度。タダの見積りはこれ限界でしょう。これ以上かかるのは墓穴を掘ります。
こうしてお客様の「夢」は具現化されます。具現化された「夢」はお客様の中で一人歩きを始めます。そうなると、予算の枠が取れてしまいます。「サッシ止めるからこれをやって。」と言うように、他業種の予算が削られる訳です。勿論、プレゼンの中には何を止めるべきか、何が無駄なのかのヒントも実はこっそり仕込んでいます。実はこの中にはもっと多くのノウハウが隠れているのですが、それはまた別の機会にと思います。
|